2015_04
07
(Tue)00:00

陽だまりの中 episode 8







先に行ってて、って言われて着いたお店は素敵なレストラン。
グリーンも多くて都会の中に居るのに心が安らぐ。
あ…でも僕は声が出ない。どうしよう。

入り口でうろうろしていると

「いらっしゃいませ」

って美人さんに声を掛けられた。
うわっ!本当にどうしよう!!
あたふたしている僕に

「オッパからお席に御案内するように言われてます」

だって。
にこりと促されて陽射しが柔らかなテラス席に腰掛ける。

へー。チャンミンさんはこういうお店に来るんだ。
キョロキョロと辺りを見渡していると、あれ?

"チャニョルさんだー!!"

パタパタと手を振って近付くと
んんん?この格好…もしかして

「僕が働いてるお店なんです」

シェフ~!?うわぁ~。
だからあんなに料理が上手なわけだ。
凄い、凄い!

興奮気味の僕を嬉しそうに笑うと

「ユノさんの好きな物でここで用意出来るのを作りますから」

って、前に僕がチャニョルさんから好きな物を聞かれて書いた紙を見せられた。

「ヒョンが、ユノさんを連れて来る時に作ってやって欲しいって言ってたんですよ」

嘘…チャンミンさん…
その言葉だけて僕の胸は一杯。
それなのに

「ヒョンをこれからも宜しくお願いします」

って頭を下げられて僕の目頭は熱くなった。
けれど感動している僕の返事は

ぐぅ~

お腹の音だった。
あぁ、悲しい。

「直ぐに作りますね」

ってくすくすと笑って厨房に消えてっちゃった。
チャニョルさんこんな僕でごめんなさい。

それから本当に直ぐに目の前のテーブルには沢山のご馳走が並んで。
僕は目をキラキラさせながらそれを頬ばった。

うーん♡おいひー♡

「美味しそうだね」

頭の上からあの大好きな声。

"凄く美味しい!!"

と満面の笑みで伝えようとすると
視界が急に暗くなり

「本当だ、美味しい」

ぺろっと口の横に付いたソースを舐められた。
ちょ、、、チャンミンさん!?

「ヒョン…」

後ろからチャニョルさんの呆れた声。

「あっ、ごめん。つい、ね」

頭を撫でられて、もうその笑顔に蕩ける。

「この前は悪かったよ、ほらこれ」

そう言ってチャンミンさんはチャニョルさんに何かを手渡した。
プレゼントかな?

その紙袋にチャニョルさんの目が輝き

「ヒョン!もしかしてこれ…」

にやっと笑うチャンミンさん。
急いで包み紙を開けるとそこには高そうな腕時計が。

「欲しがってたろ?それにこれはミナの分」

もう一つの紙袋をチャニョルさんの手に渡す。
するとさっき僕を案内してくれた美人さんをチャニョルさんが手招いて

「オッパ~♡」

チャニョルさん同様に大喜びしていた。

「この2人、付き合ってるんだ」

ってそっと耳打ちされて2人を見るととてもお似合いだった。

チャンミンさんを中心に和気あいあいとしていてなんか凄く羨ましかった。
僕には兄弟なんていたのかな。

ちょっぴり寂しくなる心を隠すようにまた目の前のご馳走を頬ばるとチャンミンさんに向けて笑った。

えっ、ちょっと…

いきなり唇を塞がれて僕の手からはフォークが滑り落ちる。

「ヒョン~」

チャニョルさんの切ない叫びも虚しくそのキスは続く。

ん…んんっ…

「チャニョルの料理も美味しそうだけど、それを食べてるユノが一番美味そう」

頬をむぎゅっと挟まれてまた軽くちゅっとされた。

「はぁ…こんなヒョン、初めて見たよ。ユノさんって凄いね」

固まる僕をチャニョルさんは繁々と見つめる。
そんなチャニョルさんを可笑しそうに

「だって、ユノは可愛いだろ?こんなの目の前にしてキスしない方が可笑しい」

そう言って僕の下唇をぷにぷに触るんだ。

「はい、はい、ごゆっくり~」

手をひらひらさせてチャニョルさんは背を向けて去って行ってしまう。
周りにお客さんが居ないからいいけど、結構チャンミンさんって…大胆。

今も横に座って僕の太腿を撫でながら目の前のパスタを食べている。
まるで家に居るのと変わらないような感じ。
何だかちょっと嬉しい。

そして最後のデザートはチャニョルさん特製苺パフェ♡
メニューには無いけれどチャニョルさんの好意で作ってくれたんだ。

…あぁ、幸せ♡

「ユノ?」

テーブルに肩肘を付いて口を開けてる。
あっ、食べたいのかな?
スプーンに掬って口に運ぼうとしたら

「違うよね」

って。
だからそのスプーンを口に含んでアイスを舌の上に乗せると。

そっと顔を近付けた。

「…ん、甘い」

苺アイスごと舌を絡め取られて、甘くて溶けてしまうのは僕の方だった。

「今日はドライブしよう」

ぎゅって手を握られて。
また蕩けるような笑顔で見つめられて。

僕はどんどんチャンミンさんを好きになってしまうんだ。



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No title

いいのいいの。だってねこだから。

2015/04/07 (Tue) 07:21 | 723621mam #- | URL | 編集 | 返信

Re: No title

723621mam様

おはようございますヽ(〃∀〃)ノコメント有難う御座います!!

えっ?ねこだからいいんですか(笑)
なんと言うか…究極の一文ですね_φ( ̄ー ̄ )

深い。深過ぎますよmamさん。

2015/04/07 (Tue) 08:47 | shin #- | URL | 編集 | 返信

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