2015_03
16
(Mon)02:25

君ヲ想フ …君のいない夜… 18





君がいない夜は 優しい風の音

温もる街の色 すべてが届かないまま

ただ君の影 探してる

wish upon a star









いつもと変わらない放課後…

部活が終わると
俺は帰り支度を済ませて玄関へ向っていた

けれどふと
明日の課題の資料を思い出して
くるっと踵を返して教室へ戻ろうとしたんだ


その途中

普段は通らない中庭を

何故だか俺はその時だけ


その日だけ…通ってしまった



その選択が俺の人生の歯車を狂わせるなんて






「あ…」

見慣れた姿がその中庭にあった


今まで一度も声なんて掛けた事は無かったけれど
この偶然が嬉しくて

今なら話せるかも…そう心が弾んで


近寄ろうとして踏み出した足が

それ以上

動かないんだ




彼の向こうに佇む小さな影…



その影が消えると

彼が向きを変えてこちらに歩み出す


心臓がドクドクドクと大きな鼓動を立てる


擦れ違い様

彼の手の中に…可愛らしい封筒を見た


その場から動けずにいる俺の横を
彼は何事も無かったように

通り過ぎてゆく


ドクドクドクと鼓動を立てていた心臓は
キリキリと痛み出す


その痛さに声も出なくて
胸を押さえて俺はその場所に

うずくまった



やっと分かったんだ



ずっと、ずっと…

彼に抱いていた感情が

何なのか…



まさかそれが

…"恋"だったなんて




その日から彼の姿を見かける度に
胸にズキ、ズキ…と鈍い痛みが走って

日に日にその姿を追う事が辛くなっていた


自分のこの歪んだ想いを
彼に押し付ける訳にはいかない…

けれどずっと
彼を想っていた心が

その姿を見ると揺れ動いてしまう…



そんな時
体育の合同授業の最中に
バスケットボールを顔面に受けた彼を目撃した

その瞬間

気持ちよりも先に体が動き出していて
生徒や先生が心配する中

彼を抱えて
保健室へ走り出していた

他の生徒から見れば
責任感の強い生徒会長だから、それだけの事


でも俺は…

あの遠い記憶の

自分の目の前で崩れ落ちた彼を
思い出していたんだ


あの時に助けられなかった後悔、それだけの事



けれど
保健室のベッドに横たわる彼の寝顔を見て


触れたい…


その衝動が湧き上がってそっと彼の手を握り締めた


その手はとても温かかった・・・
俺はあの時の冷たい手の感触しか知らないのに

自分の中の記憶はあの頃から止まったまま…

でも…彼の時間は俺とは関係無く動いている


その現実が手に伝わる温もりを通して
心に突き刺さった


だから

俺は…想いにそっと

蓋をした




彼の隣で歩いて

その手を繋いで

そして一緒に笑って

笑うその顔をずっと見ていたい


またあの時のように

抱き締めたい

あの可愛い唇に触れたい


そんな想いに…蓋をしたんだ












関連記事

C.O.M.M.E.N.T

No title

その時は、蓋をするしかなかったのね。
苦しい恋だ。

2015/03/16 (Mon) 13:18 | 723621mam #- | URL | 編集 | 返信

Re: No title

723621mam様

こんにちは、コメ有難う御座います( *´艸`)

そうなんです
ユノ君はチャンミンを想いつつもチャンミンの事を思って蓋をしたんです

自分を押し殺した苦しい初恋だったんです

そう思って、また見返すとあの甘いキスがまた胸に沁みます

2015/03/16 (Mon) 13:35 | shin #- | URL | 編集 | 返信

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック