2019_07
10
(Wed)20:50

Blue Jeans公開について。

こんにちは( ´艸`)
先日の短編の電子書籍化のご案内に際して、ダウンロードが出来ない方もいらっしゃると7/1
に拍手コメントを頂きまして。
何度かトライして頂いたのにすみませんです(*꒦ິㅂ꒦ີ)
そのコメントの確認も遅くなって重ね重ねすみません。

急遽、ブログにも文章を貼らせて頂きました。
縦書き用に書かれているので読みにくいと思いますが、雰囲気が伝われば有難いです。

感想やコメントお待ちしてます⁽⁽ ◟(灬 ˊωˋ 灬)◞ ⁾⁾
スポンサーサイト



2019_07
10
(Wed)20:45

Blue Jeans #3

何度か体位を変える間に俺の下で男は数回達して自分自身が何を口走っているのかも分かっていないような状態に陥っていた。俺と言えば男がどんな仕事をしているのかも知らされていないので遠慮なく男の中を掻き回しまくった。けれど一度も男からは足が立たなくて辛かった、などの苦情は無い。だから俺の一回が終わる頃になると男は軽く意識を飛ばし、うわ言のように俺の下の名前を呼び続けた。だが本名はいまだに明かさずに俺達の体の関係は成り立っている。明かす事のリスクと、その代償を天秤にかければ自ずとその選択肢は消える。
意識を完全に持って行かれた男から、芯を失ったものを引き抜くと一回分にして結構な量の体液が薄い膜の中に吐き出されていた。そう言えば近頃はこの男としかしていないのかと、至福の紫煙を燻らせながら無防備なその寝顔を眺めて思った。
「子羊って言うか、子鹿だよなぁ…」
やってる最中もずっとあの印象的な瞳で俺を見つめる男は羊よりもどっちかと言うと鹿に近い。伏せられた睫毛を擽りながら、この図体からして子鹿でもないなと苦笑していると、寝ていた筈の男の瞼が動く。指先を掠めるように睫毛が押し上げられ、咄嗟に引いた手に男の指が重なる。そして絞り出すように出された声。何かを俺に言いたかったらしいが、散々喘がされた喉ではまともな声なんて出せないようではっきりとは聞き取れない。そのか細い声を拾おうと体を寄せると、微かに『煙草』と聞こえた。
「煙草?あぁ、火を気をつけろってか」
てっきり寝煙草を咎められたのかと思ったが、男はそれを否定するように首を横に振る。じゃあ何だと顔を顰める俺に対し、重たげな体を起こすと、ベッドの脇に落ちていた袋を指差す。確かそれは男がホテルに入る前から抱えていた物で、何か最中に使うのが入ってるのかと思っていたが。
「俺が開けても?」
頷くのを確認するなり持っていた煙草の火を消してその袋を覗くと、男には必要の無さそうな物が見えた。
「勝手に吸わないと思い込んでたけどな」
以前やった後に隣りで気持ち良く吸っていたら男の煙たげなその様子から喫煙家じゃないと判断したのに。袋の中の電子煙草を男に放ると、首を振って突き返される。
「吸わないのか?」
手の中の真新しいパッケージと無言で見つめる男の丸い瞳を交互に見ながら尋ねれば、人差し指だけをゆっくりと俺に向けて寄越す。という事はこれは俺への物なのか。
「そんなに煙たいのが嫌だったとはなぁ」
そこまでだったか、と思わず苦笑しながらパッケージをこじ開けようとする俺を、突然強い力が引き寄せる。そして耳元でボソリと何かが呟かれた。
『次は家で』
男はそれだけを言うなり布団にくるまって身を隠してしまう。まるでその姿は殻に閉じこもったミノムシで、男がどんな表情でその言葉を発したのかも見損ねる程に俺は呆気に取られていた。
「なぁ、…家って、おい」
丸い殻をいくら揺さぶっても男は顔を出す気配も無く、俺は俺でくつくつと込み上げた笑いが抑えきれずそのミノムシに倒れ込んで声を漏らして笑った。リスクへの代償が男の家ならば、それも悪くないと早くも思い直している自分に気付いて尚更笑えた。
「賭けに勝ったと思っていたんだけどなぁ」
どうやら俺もこの男に嵌ってしまったらしい、見事なまでに。
2019_07
10
(Wed)20:44

Blue Jeans #2

じわりと汗が額に滲む。
受け入れるべきじゃない事は重々分かっているのに、分かっていながら毎回そこを許す度に自分はこの背後の男のテクニックに溺れてるんだと。男としての矜持をあっさりと崩させた奴の硬くなったものを押し付けられて、僕は息を詰めながら自覚した。
「…欲しいんだろ?」
やめて欲しい、こんな時にそんな掠れた甘い声で囁くのは。それでなくてもずっと恥ずかしい思いを堪えて尻を突き出してるってのに、これ以上言葉で欲したら僕のプライドは無いにも等しい。
「どっちの口もお堅いか、まっ別にいいけど…」
するりと背後を覆われて自分と同じくらいの体の圧を受けながら、ピタリと吸い付くような肌の質感にぶわりと総毛立つ。でもだからってそれが嫌だと思わない自分に嫌になる。ふっくらとした乳房が背中に張り付いてるわけでもないのに、どくどくと心臓が跳ねる事自体おかしい筈なのに。
「痛くないのはもう分かってるのにな、いつまで経っても慣れないか…」
くすりと背後の影に笑われても、それにも僕は答えられない。ハイ、ソウデスなんて口が裂けても言いたくはないから。痛くされた事は確かに無いけれど、何回されても慣れたいなんて思っていないのだ。
「いいさ、そのままで。慣れてない割に俺のだけは…」
中途半端な所で強引に首を捻られて唇を塞がれる。その続きを、と一瞬よぎったけど聞かない方が身のためだと悟る。
既に突っ張る腕は二人分の体重に悲鳴を上げそうに筋張り、ねっとりと絡み付いて喉奥まで差し込まれた舌に呼吸は苦しいのに。それでもやめて欲しいと思っていない自分がいる。
「ん、」
最後に舌をねぶって離れていく赤いその唇が名残惜しいだなんて。もっとキスしていたかったなんて悔しいから言わないけど、この男のキスは常に極上だった。
その間にも太腿から撫で上げられた手の動きにぞわりと震えが止まらなくて、そろそろ観念するべきだと覚悟を決める。
「ゆっくりと息、…吐いて」
ゴムの膜が薄い皮膚を少しだけ押し開く。怖い、と言う想いが先に来て、固まると必ず髪の毛に柔らかな感触が与えられる。
「大丈夫。ゆっくりやる」
その言葉に安心して泣けそうになるから腹が立つのに、何でこんな事をと。子供でもないのに頭や体を大人しく撫でられた上に、あられもない格好まで、なんで自分がこんな。
「く…っ、」
不意に耳の後ろで吐き出された男の息に震える。僕のこんな狭くて硬い場所をどうしてそんなに切羽詰まってまで入ろうとするのだろうと。
「一気にいかないから、大丈夫…」
気付けば白くなった指先に男の手が触れる。シーツを強く握り締め過ぎて血がそこまで届かなかったのだろう。なのに男の手がその指に絡んだ途端に血が通い出すのが不思議だった。どくどくと熱くて、今の今まで白かったのが嘘のようで。
「痛くないようにゆっくりな」
まるでこれは呪文だ、同じ言葉の繰り返し。それでも不思議と心と体は繋がっていて、気持ちが落ち着けば強ばっていた体も勝手に緩み出すのだ。
「ん、中は柔らかい…」
わざわざ口に出す必要は無いのにと思う。そんなのを受け取ってしまえばただ耳は熱くなるだけだ。だけど体の中の男のものも、負けないぐらい熱いから困る。僕の何がそんな事にさせるのかと。
「はぁ、悪い。俺だけ気持ち良くなって」
一瞬、体に走った電気の正体は男の手の動きだった。まだ全部入っていないのに、僕の体を弄り出すなんて余裕綽々と言いたいけど。でも正直、直接の刺激は有難い。
普段もその男の指はしなやかな動きが美しくつい目で追ってしまう程で、今だって思わず追いそうになり、指の先で目にしたものに慌てて逸らす。
「自分の見て興奮してたのか?」
分かっている事をいちいち聞いてくるのが男の悪い癖だった。でもそれさえも嫌じゃないから咎めないけど。
ゆっくりと全体のフォルムを包み込むように指先で柔らかく握られると僕のは顕著に質量を増して。背後の男が嬉しそうに手を筒状にしてその質量を更に育て出す。
「ここ擦られるの好きだよなぁ」
キスも上手いけどピンポイントで性感帯を見つけるのも上手いから、簡単に僕のものは男の手の内で転がされて大きくなる。
「このまま出したい?」
かぷりと甘噛みされた耳の縁にまた唇の熱が押し付けられて、首筋から這い上がって来る鳥肌を払うように僕はかぶりを振った。
「…分かった」
男はそう短く答えると添えた手はそのままに、僕の体の中に留めていたものをゆっくりと動かした。出る事はあっても入れられる事など有り得ない器官を男のものが抜き差しされる。痛みは無くても違和感で埋め尽くされた腸内、自然とまた力強くシーツを握ったタイミングで男は手の内のものをゆるりと扱き出す。
「痛いか…?」
ゆったりとした腰の動きに合わせて僕のものも緩々と擦られる。違和感はまだあるが、痛みは無いので小振りに頭を振った。
「でも凄い汗だな」
背を這う舌の生温さにまた鳥肌が立った。何がいいのか分からないが、男は僕の体から噴き出した汗をぺろぺろと舐めとっていく。擽ったさはあるものの嫌悪感は無く、時折強く吸われるたびに顔を上げた。何故か背中にだけ痕を残す男の行為が不思議で、けれども一度もその理由は尋ねられていない。幾つか痕を付けて満足をしたのか、男の両手が僕の腰に回され、緩慢な動きから本格的な腰振りへと変わる。傷付けないように壊さないようにと、男の労るような腰使いも悪くないけれど、奥へ奥へと強く穿たれる例え難い刺激に痺れた。
「声、我慢すんなって…っ、」
腰を一層強く掴まれ揺さぶられて、とっくに抑えていた声なんて漏れ出て止まりやしないのに。これ以上の喘ぎを求めて気持ち悪くはないのだろうかと不思議に思う。
けれども僕はそんな男の心理よりも刺激される中の具合に没頭していたかった。中でイク事を覚えてしまった体はもう手だけでは満足がいかなくて、そんな体にした男の腰使いに酔いしれる事だけに夢中だった。まるで獣の交尾のように快楽だけを追い求めて体を開き、その対価として期待以上のものをこの男は僕に与えてくれる。
汗で滑る腰を抱え直され、より一層強く掴まれた指先が僕の皮膚にめり込んで、ぶつかる肌と肌の音が激しさを増す。目に見える物はぼやけ、犬みたいな呼吸が続く。男は僕が言わなくても無言で快感を送り込むように無我夢中で動いていた。
けれどある瞬間を迎えると腸が戦慄くと言うのか、とにかく物凄い衝撃に体が襲われる。堪えきれずに膝から崩れると、視界に無数の星が飛び散った。ガタガタと止まらない震えをやり過ごしながら、こんな快楽をまた楽しめたと喜びに浸る。
「ふぅ、…」
溜め息と共に繋がりを解かれ、喪失感を覚える間もなく体を返されるとようやく男の表情が見えた。やり切ったような達成感を滲ませつつもまだその顔には余裕が窺える。
「まだ…出来るよなぁ」
汗で濡れた僕の下の毛を指の腹で撫で上げながら男は口の端だけを上げて笑う。そんな行為ですら敏感な今の体には堪らないのに、毛の中をうねりながら進む指にぞくぞくと鳥肌が止まらない。
「ここに欲しいのは何だ?」
指が辿り着いた先をくちくちと弄り、男は薄く笑って僕を見下ろす。充血して過敏になっているその場所は指だけでもかなりひくついていた。でも僕が欲しいのはそんなのじゃなくて、いまだに萎えずに薄い膜に包まれたそれに手を伸ばす。すると男は正解とばかりに唇を重ねる。舌をいいようにねぶられながら触れた男のものを握ると、膜を隔ててもその熱さは僕の手を溶かしてしまうようで。堪らずに自ら受け入れる場所へとそれを導いていた。
「やっと素直になったな」
笑う男の言う通りに、僕の体は浅ましく今か今かと口を大きく開けてそれを飲み込む。元々は女としか経験の無いこの体を、ここまで作り替えた男のそれはそうそう簡単に僕の中で弾けない。あと何度このまま揺さぶられてイカされるのだろうと再び熱に浮かされ始めた頭でぼんやりと思った。
霞む視界の中でも男の唇の黒子は妖しく輝いていた。
2019_07
10
(Wed)20:43

Blue Jeans #1

その日の売上目標額をクリアしていた俺は颯爽と常連客と共に夜の街へと繰り出す。枕営業をしないのが売りの俺のスタイル通りにカラオケでひとしきり騒げば、それでアフターは終了。割と早い時間に開放されたその足で今度は馴染みの店へと向かう。そこのマスターから仕事中に入っていた連絡がずっと気掛かりだった。
「どれ?迷える子羊ちゃんは」
小声でマスターに聞けば目線だけでその存在を伝えられる。振り向けばすぐにそれと分かった。確かに今もこうして涎を垂らして機会を狙う狼の群れの中でも、その子羊は呑気にビールなんかを煽っている。初めて見る顔だし、マスターから俺に連絡が来るという事はここがどんな店なのかも知らないのだろう。
「なぁ、隣りいいか?」
どこかぼんやりとしていた筈の男の瞳の焦点が、俺をみとめた途端に目の奥に光が見えた。それだけこの男の目に強く惹き付られる何かがあった。その目力の強さに一瞬怯んだものの、男は以外にもあっさりと隣りを許した。暫く一緒に飲んで、二軒目に誘うと素直にそれにも応じた。周りの狼達はそんな俺達を遠巻きに眺めているだけで、マスターは厄介事にならずにホッとしたに違いない。
二軒目に行くと見せ掛けて狭い路地で強引にキスを仕掛けた。同性は許容範囲内じゃないとなればここで一発食らって当然のところを、その男は僅かな抵抗を見せただけで舌を割り入らせても最後まで手は出てこなかった。
「…逃がしてやろうと思ったんだけどなぁ」
マスターの厄介事を処理してやった御礼に味見程度のキスぐらいはと思っていたが、目の前の何にも動じない男に俄然興味が沸く。
「あそこがどんな店なのか、本当は知ってたとか?」
あの店で見るのは初めてなだけで、他で結構漁ってるのかもしれない。だが、男は予想に反して首を横に振る。
「そう…じゃあ俺と先へ進んでみる気があるならこのまま着いて来いよ。その代わりもう来た道には戻れない、どうする」
決して無理強いはしない、男であろうが女であろうが選択肢は必ず与えて自分で決断をさせる。自信過剰かもしれないが、俺に嵌ったら後戻りは不可能だ。
考える時間を充分に与えてから先にゆっくりと歩き出す。遅れて男の足音が追ってくる気配に、この賭けは成功したと思った。
そして案の定、男は見事な程に俺に嵌っていった。