Road -溶ける-
絡み合って全て溶けゆくまで愛撫を施したいと願う。
ユノに何度も解されたそこがじくじくと疼ずきを上げて切ないのだ。
欲しい。この体に深くユノを、と。
「…、っ、、…」
指が一本入れられただけで吐息が漏れる。
丁寧に解された事を覚えているそこはもう知っているのだ、ユノの指から与えられる快楽と言うものを。
潤滑剤を足しながらゆっくりと肉の壁を指で押し開かれる。
この瞬間、あぁ僕はユノに痴態を晒しているんだなと毎回死ぬ程の羞恥に陥るのに。
そんな想いも一枚一枚花を開くようなユノの指使いによって次第に薄れてしまうのだけど。
「…ユノ」
「ん、」
「キス、…して」
強請った物を与えられている間も僕の体の奥は徐々に、そして確実に広がりを続ける。
自分から絡めた筈の舌さえその動きを鈍く止めていく程に。
「っ、、いま、なんぼんっ…」
バラバラと大胆に内部で指が蠢く。
時折、掠める部位が何とも言えない刺激を呼び起こす。
疼くとも、痺れるとも異なる何かが。
「っ、、」
答えの代わりに抜き取った指をそのまま顔の前に晒される。
三本の指にしっとりと巻き付く液がとろりと垂れていた。
「…挿れるぞ」
指のぬる付きを拭き取るユノを見上げていた僕に、同意を求め無い絶対の決定が下される。
その、有無を言わせずに進める男の本能に対して。
全身が粟立つ。
そして呼吸も忘れたかのように息詰まる僕を、その目で射抜き。手早くゴムの袋を歯で噛み切って見せる。
投げられた殻の袋の行き先を目で追う暇もなく、今度はまた次の刺激に視線が奪われる。
拭き取って綺麗になった指がおもむろに掴んだ先。それはユノの中心からそそり勃つ男の象徴。
それを上下に動かし出すと、途端にその顔には雄の部分が色濃くなる。
ごくりと思わず生唾を飲んだ。
緩々と扱かれて完全に勃ち上がったそれが視界に映り込んだからだ。
それは通常の肌色から赤黒さに変貌を遂げ、太く浮き出た血管までこの目で見て分かる程に怒張をしていた。
それをわざとユノは丁寧に、そして膜で覆い被せていく。
“これが、お前に入るんだ”と。
目を逸らさないように、まるで焼き付けろと言わんばかりに。
けれど、その淡い色をした膜を纏ってさえも、はち切れんばかりの熱量は隠し切れていない。
ふと、無性にそれに触れてみたいと思った。
だが、衝動のままに伸ばした手の先に触れるその熱さに思わず声を上げしまう。
「離すなっ、」
触れた手を掴まれ、それよりも更に熱い手に覆われる。
そしてユノのものを握りながら、それをゆっくりと自分の中に…
取り込みながら手が何度も止まる。
その度に呼吸を整え、そして握り締める掌の中のものも自分と同じくらいに今が一番苦しいのだからと。気持ちを奮い立たせて。
そして少しずつ。確実に。掌のものが短くなるまで。
ユノと僕の手は一つになって同じ先を目指す。
「っ、く…ぅ、」
「入った、全部…」
声を上げたのは恐らく同時だった。
正直、感動よりも恐怖が上回っていた。
目でも驚きを隠せなかったユノのあれが、まさか自分の中に全て飲み込む事が出来るのかと言う不安だってあった。
実際、今も受け入れているそこはミリミリと皮膚の引き攣れ音が聞こえて来そうな程で。
自然と息継ぎが早まり、呼吸が浅くなる。
みっしりと腹に爆弾でも抱えている気分だった。
「…チャンミン」
いつの間にか掻いた大量の汗を拭うようにユノの指が額を滑る。
水気を含んだ髪を掻き上げて貰うと、幾分か気持ちが和らいでいく。
「…っ、ユノ…」
「大丈夫だ、暫くは動かない。怖いだろう…?」
“有難うな”と、降って来た唇はこめかみを掠めていく。
知らずに目尻から溢れた涙をあやすような口付けに、益々心の弱い部分がポロポロと崩れていく。
「こわ、かっ、、た…」
口した途端にどっと想いが溢れ出てしまう。
堰を切って流れ出す涙を止めたいのに、次から次へと溢れ出るのだ。
「辛い思いをさせると分かってたのに、…ごめんな」
目の縁から止め処なく溢れる涙を、ユノの指では拭い切れない。
そんな顔をさせたかったわけじゃ無いのに、どうしてユノがそんなに辛そうなんだと胸が締め付けられる。
「…っ!」
ユノの腰が引いて、僅かに腹の重みが軽くなる。
でも僕はそれを決して望んだつもりなんて無かった。
「ユノッ、、違う、そうじゃない…っ」
「チャンミン…?」
その表情が困惑の色に染まる。
そうじゃないんだ、違うんだ…
流れる涙を必死で止めて。
ユノの引いた腰にそっと手を回す。
「ごめん…怖いのは本当だけど、でもその先にも進んでみたいのも本当…だから、ユノも怖がらないで、お願い。僕を溶かして…っ」
入り口の浅い部分まで抜かれていたそれが一気に質量を増して再び口を塞ぐ。
「…頼むから、俺をこれ以上溺れさせないでくれ…」
切なげに寄せられた眉の皺に見惚れた。
ユノの手に剥がされて行く指にも、ユノの指が絡められる。
「愛してる」
指も唇も繋がっている部分も。
ぴたりとくっ付いた僕等は一つに溶けるように抱き合った。
end
Happy birthday,Changmin!
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