2030_01
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(Tue)00:00

*初めにお読み下さい*




初めまして、当ブログを覗いて頂き有難う御座います(*^_^*)

私はこちらの管理人をしています、あゆ(旧shin)と申します。

初めに簡単な自己紹介とブログの説明をさせて頂きます。

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2029_01
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(Mon)00:00

*目次*

ようこそいらっしゃいませ♡

目次として、お話の簡単な内容をご紹介します( *´艸`)

タイトルをクリックするとそのページへと飛びますよ♪

最新の物が一番上で下に従うにつれ古いものとなります。

※タイトルに完結が入るもの以外は未完です。



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2019_08
24
(Sat)23:11

Blue Jeans #15

若いその男は俺の予想通りに自らの名前をミノだと名乗ると、この服の持ち主の事をしきりにチャンミニヒョンと呼んだ。そしてそのチャンミニヒョンと連絡が付かない理由を知りたがり、経緯を知るであろう俺の腕を絶対に離そうともしなかった。
だが、今夜の仕事の前に自宅に戻る必要があった俺は仕方無しにミノを近くのコーヒーショップに誘おうとするも、それを彼は拒んだ。聞けばこのマンションにタクシーを使って来たが為に帰りの電車賃ぐらいしか持ち合わせていないと言って項垂れるのだ。噛み付く勢いかと思えばいきなり萎れて見せたりと、その姿はまるで大型犬が怒られた際の反省する様子に似ていてつい吹き出してしまう。
「詳しく話を聞きたいんだろ? じゃあ俺の一服に付き合ってよ」
萎れるミノの目の前に煙草の箱をちらつかせると、掴まれていた腕の力が抜けたのでその隙を見て颯爽と先を歩き出す。すると遅れて後ろから追ってくる気配があった。それはあの男の出会いの夜とダブり、不思議な既視感に囚われる。チャンミンと言うその呼び名をそう言えばまだ自分の口から発した事も無かったと思いながらも振り返る。
けれどそこには急に振り返った俺に驚いたのか、ミノが目を丸くして立ち止まっていた。
「…鹿じゃないな、やっぱり犬だな」
不躾な発言にも取られがちな俺のその言葉にもミノはただ目を丸くして突っ立っているだけで、その仕草から人の良さが伝わるようで思わずまた笑ってしまった。




結局、ミノに事情を説明し終える頃には灰皿に二本の吸い殻が並んでいた。一本目を吸いながら話した内容には適当の中に真実を幾つか織り交ぜ、嘘は吐かないようにした。ホストと言う商売柄で客からもあれこれと聞かれるが、言い難い事は濁して喋ると相手はそれ以上深入りをして来ない。気に入られたい相手に敢えて嫌われる要素を曝け出す真似はしないのだと俺はよく知っていた。
だがこのミノにはそれは通用しないと思い、後からバレるような嘘は避けて話す事を選んだ。チャンミンとは飲み屋で知り合った事、意気投合をしていく中で自宅へ招かれた事、共通の趣味に没頭するあまりに昨夜はお互いにスマホの電源まで切ってしまった事等。けれども面白い事に、詳しいキーワードを出さずにいる俺の会話にミノが時々口を挟んで話がより明確になっていった。例えば趣味の部分はミノの口から『ゲーム』と言う単語が飛び出し、俺が相槌を打つだけで話が具体的なものへと変わったり。
チャンミニヒョンを慕うミノのその純粋さがひしひしと伝わるだけに俺も慎重にならざる得なかったが、疑うという事を知らない真っ直ぐな瞳は終始輝きに満ち溢れて俺には眩しい程であった。
そうして一本目を吸い終えてそろそろ解放されてもいいだろうと思っていた俺の手を、ミノは何故か興奮した犬のように鼻息を荒くしながら掴み出した。そこからはもうミノの独演会となり、ひたすらチャンミニヒョンがいかに素晴らしいかを語り尽くしたのだ。一度だけミノに着信があり、席を外しているうちに俺は二本目の煙草をゆっくりと堪能した。要は交友関係の狭いチャンミニヒョンに出来た新しい友人の俺をミノはいたく歓迎したいらしかった。よって、いつまでも続くチャンミニヒョンの話にうんうん、と適当な相槌を打っているうちに親睦会の日程まで決まってしまい。挙句の果てにその連絡をチャンミニヒョンには俺がする事をミノが勧めたのだった。電源が切られていたら諦めると言う曇りのない好意に退路を絶たれ、渋々ながらミノを前にしてあの男へと電話を掛ける。すると呼び出しが始まって内心では厄介だと思った。しかしながら数回コール音が鳴り響いても男は出ない。部屋を後にした時、まだ気持ち良さそうに眠る姿を思い起こす。体も碌に拭いてやらずに放置をして来たなと、苦い思いが込み上げ始めた途端にコール音が途絶えた。
「…やっと出たな」
ミノに見られていると言う意識があって、ぎこちなさが逆に出てしまう。それが伝わるのか、男からは反応が返って来ない様子に焦る。それでも変な風に話すわけにもいかずに自然体を装って名前を呼べば明らかに電話口の反応が変わるのだ。
「チャンミン? 」
もう一度呼んでみると空気が震えるような吐息を含んで『あのっ…』と返される。チャンミン、それは今は駄目なやつだ。名前を呼んだだけで照れている様子なんて反則以外に何がある。どんな顔をして、何を言うんだと。
だからその後を断ち切るように俺が先に切り出した。そして何もかも純粋なミノに感化されたと思いたかった。それ程に用件だけを告げて切り終えた俺の胸はやたらと早鐘を打ち鳴らして煩かったのだ。
2019_08
24
(Sat)23:09

Blue Jeans #14

ふっ、と意識が浮上し。ぼんやり辺りを見渡すとまだそこが寝室である事に対して既視感を覚える。今日という日を迎えたのが二度目のようなあやふやな記憶。しかも何故だか体も頭もすっきりしない怠さ。
「ん、無い…」
手探りでシーツの上辺を撫で回しても目的のスマホが見当たらない。仕方無しに寝返りを打とうとするも体に布地が貼り付く違和感にはたと動きを止める。
思わず笑い返したのが悪かったのか。それとも一人で悦に入って男を置き去りにしてしまったのがまずかったのか。いずれにせよ僕の何かが男の機嫌を損ねたのだと思い返す。そうでなければ男はこんな風に僕を放置して行ったりしないのだと。
「あー…」
ようやく抜け落ちていた記憶の部分を取り戻した途端に、溜め息とも取れる長い息を吐いてしまう程にとにかく男はしつこかった。その上、全く優しさも無かった。イキたいと幾ら懇願しても聞く耳を持たずと言った感じに焦らしに焦らされまくった。いつ達したのかも覚えていないし、挙句にその後始末さえして貰えていない。
「…気持ち悪っ」
よく見ればあちこちに汚れが目立つシーツに今の今まで爆睡していた事に目眩がする。怠さを抱えた体と共に寝具を取り敢えず剥ぎ取り、洗濯機に突っ込んだ。
シャワーでさっぱりさせたら幾分か体の怠さも抜けた気がして、案の定あの時のままの状態を保つキッチンも一気に片付ける。数時間前まで向かい合わせで談笑したのが嘘のように、その跡形もなく全てを元に戻した。
その後、再び落とされていたスマホを起ち上げてミノへとコールする。ずっとミノの事は気掛かりだった、でもすぐに連絡をしなかったのは自分の中で物事を整理する時間が必要だと思ったからであり。仕事の用件さえ話してそれで済めばいいものだと安易に考えて電話をした。




「何で…」
通話を終えて開口一番にその言葉が漏れ出る。実際、まだミノとの会話の内容が頭の中をぐるぐると回っていて、思わず近くにあった椅子に腰掛けた。
何でミノが。口に出した言葉をもう一度頭の中で反芻する。仕事の電話をしたと言うのに途中からあの男の話題がミノの口から出て来たのには心底驚いた。そこから何を言われてどう返したのかも記憶が定かじゃない。ぼんやりと液晶の灯りが落ちたスマホをいつまでも見つめるしか出来ずにいると突然その画面に再び光が戻る。
「あ、…」
表示された名前を見留めた瞬間、勝手に逸る鼓動に戸惑う。どうしてこのタイミングで着信があるのだろうと。逡巡している間もコール音が鳴り響き、このまま取らずにいたら恐らく二度と電話が掛かって来ない気がし、そっとタップをして耳に押し当てた。
『…やっと出たな』
半ば呆れたような男の声が鼓膜に響く。数時間前まで会っていたのに、何ヶ月も聞いていなかったような懐かしさ。
『なぁ、聞こえてるんだよな? 何か言えよ、チャンミン』
男に自分の下の名前を告げたのは一度だけ。いまだに本名も伝える機会すらないけど、僕の記憶に残る限り男の口からはこれが初だと瞬時に思った。
電話口で一向に喋らない僕に対して男はもう一度名前を口にする。途端に何を言おうとしていたのかが一瞬にして消え、躊躇う間にもスマホに押し当てた耳だけが熱くなっていく。たかが名前、そう思う冷静な思考とは相反して鼓動の異常な速さに戸惑う。
「あの…っ」
やっと口から出た声が見事に震え、体が底から熱くなるような感覚にクラクラした。するとその続きを待たずに男の声が被さって聞こえる。
『時間無いから用件だけ言うな』
そして男は数日後に会おうと告げて通話を終わらせた。耳から離したスマホは熱を帯び、それ以上に火照る耳を僕は持て余していた。
2019_08
24
(Sat)23:09

Blue Jeans #13

俺にしては珍しくこれはかなりやばいと思う。
今まではある程度コントロール出来ていた筈だった。だがここに来て予想以上のものを味わせられてしまっている状況に正直戸惑う。少しばかりこの男を俺は舐め過ぎたのかもしれない。
「っ、…ふ、…っ」
切れ切れに男は息を吐き出す。それ以外はずっと唇を強く噛み締めて何かに耐えようと必死だ。目尻に涙のようなものを溜めて、時折きつく目を瞑って瞼を震わす。こぼれそうでこぼれないしずくの行方にこちらは目を奪われ、そんな中で男は堪え切れずに甘い吐息を漏らす。それはまるで聴いた者の鼓膜まで溶かしかねない程の甘さで、尚更目が離せなくなっていく。俺が見つめているのを知ってか知らずか、うるうると押し上げられた瞼からうっすらと覗いた瞳はどこか焦点を失ってとろんと蕩け。相変わらず甘い吐息をこぼす唇は赤く染まっていた。
緩慢な動きだからと相当俺も気を抜いていたらしい。そしたらうっかり男の痴態をまざまざと見る羽目に陥ってしまっていたのだ。主導権を今更握るつもりも無いが、赤く熟れた唇に自然と引き寄せられる形で噛み付いた。途端に男の彷徨っていた瞳の焦点が俺に定まり始める。同時に体の奥から沸き上がる熱を実感する。こんな感覚はよく身に覚えがあった、それは体が熱を放出する時の前兆のような。
「…まさかな」
考えが口からついて出る。それを封じ込めるように男が唇を重ねて寄越す。ねぶられ、絡み付き、深さを増した口付けと共にじわじわと体内の底から押し上がっていく熱。咄嗟に俺と男の腹に挟まれていたものを握ると、一瞬舌の動きを止めて男は息を詰めた。それでも熱の勢いは止まらない。緩々と扱きの手に合わせて男の腰も揺れた。それがかえって俺にとって命取りだった。舌の動きが止まったままで男が浅い呼吸をする。甘い吐息が俺の顔に直接降り注がれた。
「くっ、」
不覚にも、と言うのが正しいのか。男の吐息にいざなわれるようなそんな感覚で吐精をしてしまう。まさかイカせる前に自分が果てる事なんて有り得ないと思っていたのが嘘のように、男の体内に嵌り込んだままでどくどくと熱が吐き出されていく。
「…え、イッたんですか」
先程と打って変わってあの独特の色香を潜めた男は、その顔に心底驚いていると言った表情を貼り付けて目を丸くして聞く。不本意ながらこの状況下で否定するわけにもいかず、舌打ちしたい気分で素直に頷いて見せると。男はほろりと表情を崩して笑い返した。あぁそんな顔も出来るのかと、思わず見惚れる自分にいよいよ本気で舌打ちはしたが。




無性に吸いたい気分に駆られて、諸々の事は後回しにして男の家を出る事にした。服はさすがに自分の着ていた物だと明るい日差しの下では浮き過ぎる為にそのまま男の物を拝借をして。
すると、はやる気持ちで抜けたエントランスの入口付近に佇む男と一瞬だけ目が合う。とても印象的な、一瞬と言えど惹き付けられるその顔立ちの男は俺を見るなりいきなり駆け寄り出して掴みかかる勢いでこう聞くのだ。『この服をどこで』と。
この男が、例のミノだと確信した。